花粉症と人間の体のメカニズム
花粉は,木から飛んでくるものです。スギやヒノキの森林は人間が人工的に作り出したものとは言え,元は自然にあった植物であることに変わりはありません。花粉症の原因となる物質は約60種類もあるというのですから,森林はアレルゲンだらけです。
古代の人々が花粉症に悩まされていたという話は,あまり耳にしません。厳密に歴史をさかのぼると花粉症の事例もあるそうですが,現在のように日本人の10人に1人が花粉症というとんでもない高率で発症していたということはありません。
花粉症が起こるメカニズムについてご説明します。人間の体には意識とは別の次元で体を守る働きがあるのをご存知でしょうか。
外部から侵入してくる物質に対し,排除しようとする働きがあります。空気中を飛んでいる花粉も呼吸とともに吸い込んだら,外部から入り込んでくる異物で,異物が入った人間の体は何らかの対応をしようとします。最終的には体に不要なものなので,排除しようとする働きをするのがIgE抗体という物質です。
この抗体は一度作られると,同じものが入り込んできた時にはその異物と結合し一緒に外に出ようとします。抗体は自力で空を飛べるわけではありませんから,くしゃみで吹き飛ばしたり,鼻水と一緒に流したりしようとします。
花粉症でくしゃみ,鼻水,涙が出るのは,この抗体の反応なのです。逆に鼻が詰まる理由は,これ以上の異物を吸い込ないためです。人間の体というのは実によく出来ているんですね。
人間の体のメカニズムは理解できましたか。
花粉症と食生活
古代から人間の体の構造は変わないにもかかわらず,近年現代病と言われるほど症例が急増していることの説明がつきません。
現代の人間が置かれている環境に関連があるようです。例えば食生活です。現代人は昔の人とはかなり違うものを食べています。栄養素をからも高カロリーでたんぱく質や脂肪分を多く摂るようになりました。
高たんぱくはアレルギー体質になりやすいという研究成果があるので,栄養素の面で花粉症の確率が上がっているのが分かります。
食品添加物です。体に良いはずがなく,アレルギー体質になりやすかったりホルモンバランスを崩して抗体が過剰に作られたりすることがあるそうです。
花粉症と住環境
鉄筋建築で気密性の高い住環境で生活するようになりほこりや花粉などへの耐性が落ちてしまい,少しのアレルゲンにも反応しやすくなってしまうと言われています。人間の対応能力が落ちているということです。
人間はこれまでなら問題にならなかった花粉に対し抵抗力を失いつつあるようです。
